MASAC-PD31紹介文

パーキンソン病(PD)の症状は多岐(Motor, Activities of Daily Living (ADL), Sleep, Autonomic, Cognition and others : MASAC)に渡っています。しかし、本邦における短い日常診療の現状では、医師―患者間で十分にコミュニケーションをとることは困難であり、患者さんの訴えを充分に把握しきれません。

我々は、医師-患者間のコミュ二ケーションを促進し、治療不十分な症状を主治医が簡潔かつ迅速に把握するためのツールとして、患者さんが自己評価を行うための31問からなる質問票MASAC-PD31を考案いたしました。パート1が運動症状について、パート2が非運動についての質問構成になっております。完成するまでの過程には、全国パーキンソン病友の会の事務局を通じて会員のご意見を聴取し、参考にさせていただいております。

我々の3つの大学病院に通院する計102名のパーキンソン病患者(HY1-4)を対象とした調査では、回答に要した時間は平均17分(3~90分)であり、対象者の80%が20分以内、95%が35分以内で回答できております。外来の待ち時間内で、もしくは自宅で記入し外来受診時に持参していただく方法で十分活用が可能と思っております。

本邦での短い外来時間では伝えられない、聞き出せない点やその程度を患者さんが効率よく医師に伝達しやすい、また医師側がそれを把握しやすい、便利なツールであると好評を得ております。

担当医だけに留まらず多くの患者さんにもご利用していただき、日常診療に役立てていただければ幸いに存じます。

2008年5月吉日
東海大学医学部 神経内科 高橋 裕秀
東京歯科大学市川総合病院 内科 野川 茂
順天堂大学医学部 脳神経内科 服部 信孝

関連論文
パーキンソン病症状の新しい包括的自記式質問票 (MASAC-PD31)の開発・評価
臨床神経 2011;51=321-329
http://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/051050321.pdf

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