薬物療法について

パーキンソン病は薬がよく効きます

薬物治療の主な目的は、脳内で不足しているドパミンを補うことです。
さまざまな抗パーキンソン病薬をどのように選択し、どのような量を、どのような服薬タイミングで使用するべきかについての判断は、パーキンソン病治療専門医の腕の見せどころです。
患者さんに合わせた治療薬を適切に使うことによって運動障害が劇的に良くなることも少なくはありません。それにより多くの患者さんが、同年代の健常人と同様の生活を継続しています。
効果的な治療法が少ない他の難病と混同され、数年で車椅子、寝たきり状態になるなどという全く誤った情報が広がることもあるようですので誤解しないように注意しなければなりません。
 (薬の種類や作用に関しては、関連リンクも参照して下さい。)

治療目標

高血圧や糖尿病に具体的な治療目標があるように、パーキンソン病にも具体的な治療目標があります。
その目標とは、『患者さんが年齢相応の日常生活活動(ADL)ないし、現在就いている職業の維持が図れる(2011日本神経学会パーキンソン病治療ガイドラインより)ことであり、それを達成するための治療戦略を組む』ことが、パーキンソン病治療専門医に課せられた責務です。

治療戦略

医師が治療戦略を組む際に、どの薬剤を選択し、その維持量をどう設定するかによって、当然のことながら治療効果は大きく左右されます。

非高齢者では、ドパミン・アゴニスト(ビ・シフロール®、ミラペックスLA®、レキップ®、レキップ゚CR®、ペルマックス®、ニュープロ®など)で治療を開始することが多いと思いますが、Lドパ(メネシット®、ネオドパストン®、マドパ®、イーシードパール®、ドパコール®など)を追加せずに長期にわたり充分な運動症状の改善を図ることは困難です。

高齢者では、高齢者だと出現しかねない副作用が懸念されるドパミン・アゴニストを無理に使用することはなく、Lドパ中心に治療する方が適切である場合が多いのですが、誤解されていることも多いようです。
幸いに、北米とは異なり、日本ではLドパも食後投与が基本であり、50mg単位での細やかな薬剤調整が行われている点で患者にとって有益です。その一方で、Lドパなどの抗パーキンソン病薬の投与量が不十分で不利益を被っている患者も少なくないのが現状です。患者さんにとって 薬の効かない状態で今を過ごすことに積極的な意味はなく、患者さんがよくなることを自ら「あきらめる」ことや治療者の一方的な裁量で患者によくなることを「あきらめさせる」ことは避けなければならないでしょう。
当センターでは、治療経験豊富な神経内科専門医が、患者さんが健常人と近い生活を長期にわたり送れるように、細かい薬剤調整を行います。

下記の患者さんは、薬剤を調整することによって姿勢異常が著明に改善した患者さんの1例(当時60歳)です。

薬剤調整前と薬剤調整後

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